- 社会
- 全体傾向
全体を通して昨年同様、資料の活用能力を問う出題が特長となっている。地理は、知識統計資料の読み取りについても、難しさが感じられず、落ち着いて問題を読めばできるものが多い。細かな知識を求められる場面が少なかった。また、歴史は例年のスタイル。年代関係の問題は、いずれも近現代史の内容を問う問題で、因果関係と前後の文脈を問う問題で、難易度は高い。また、アイヌの人々との関わりが登場。室町時代での問題(2の問1・3)は、かなり難易度が高いとみられる。公民は、経済分野が削除ということもあり、人権分野での出題が多かった。ただ、昨年のような注意して読み解く記述問題もなく、日照権も写真をよく読み、権利の意味が分かっていればかける問題であった。
中世ヨーロッパでの並び替え問題はやや難問な印象だが、大枠の歴史の流れを掴んでいれば解ける問題。世界の動きについては、今後新教育課程として気を付けていくべきポイントでもある。
アイヌの人々との関わりで、シャクシャインだけでなく、コシャマインも覚えていられたか。一問一答形式の練習を積んでいる子にとっては出来る問題。
「すべて選べ」という指定が難易度を上げるとみられる。中途半端な知識だと落としやすい。
ロシアとの関わりの並び替え問題が出題。北方領土問題のつながりもあるため、今後の学習においても、ロシアとの関係性をしっかり捉えることが大事かと思われる。
(2)自由権の選択は、引っかかる生徒が多いと思われる。イの選択肢が、「職業選択の自由」ではなく、社会権の「勤労の権利」として読み取れれば問題ない。
項目は4つ示されているが、「4か国の人口と穀物生産量」が知識としてあれば、解答は可能な問題。
2021年度入試は、毎年ポイントとなる中3の相似以降の単元が削減となり、出題単元は大きく変化した。その中でも標準的な問題が出題され、これまでに比べてかなり難易度は下がった。毎年時間がなくて裁量問題充分な時間をかけることができない生徒も多かったと思うが、今年は時間的にも余裕があった生徒が多かったと思われる。どの問題も一度は目にしたことのあるパターンが多く、問題演習を積んでいた生徒にとって解きやすかった。今後もまずは基礎~応用パターンの問題の反復練習が大切。
最短距離の問題としては、典型的な出題だが、初見の生徒にとっては難しい問題。
最短距離の問題としては他にも①円錐の側面にひもを1周させる問題。
②立方体の面にそってひもをかける問題。などがあるので、ぜひ合わせて確認しておきたい。
弧QRが接地している間は点Pがえがく線は直線になることがわかるかどうか。中学受験などでは見かける問題だが、初見の生徒にはイメージしづらかったかもしれない。
2直線PQとEGが同じ平面上にあるためには、PQとEGが平行になればよいということに気付けるかがポイント。△EFGが直角二等辺三角形なので、PQとEGが平行になるには、△PBQまたは△DPQが直角三角形になるようにPとQを決めてあげればよい。実際に問題の図に書き込みをしてイメージを作ってあげる解きやすい問題。
出題の形式は昨年と変わらず大問5題(小問集合・生物・化学・物理・地学各1題)。実験・観察の問題を読み、そこから読み取れる結果について知識を使いながら考察していく問題。形式は例年通りだが、選択肢の文章が長く、知識が整理されていないと混乱する問題も多かった。そのため難易度は上がり、難しく感じた生徒も多かったと思われる。出題は中1~中3からバランス良く毎年出題されるので、分野ごとの苦手を作らず早めに対策を講じていくことが大切である。
パイナップルが出てくる問題はおそらく初めて目にした生徒がほとんどだと思われる。実験の内容から消化に関する実験であることは読み取れるので、まずはパイナップルの汁のはたらきを読み取ることが必要。
また、この問題は北海道入試では頻出の「対照実験」に関する記述なので、試験官Cとの比較という観点で記述できたかどうかがポイントとなる。
中和によってできた塩が水に溶けるものか、溶けずに沈殿するものかを見分ける知識が必要。またその上で化学反応式の意味を理解しておくことも大事になる。
ゴム板にかかる大気圧とつるすおもりの重さとの関係を問う出題で、これも初めて目にした生徒がほとんどだと思われる。問題文をしっかり読み取り、図を参考に記入しながら内容を落ち着いて確認できたかがポイントとなる。
出題形式は昨年同様で、裁量問題は小問集合のかわりに説明文が出題されている。出題数も昨年同様だが、裁量問題では記述問題の配点が若干上がり、逆に標準問題では下がった。裁量問題については記述問題の字数が105文字となり、失点しやすくなったことと、実用文の記述が難しくなったことで、全体として昨年より難化傾向となった。漢字については、これまで同様に書き取りは小学校で習う範囲、読みは中学校で習う範囲からの出題となっている。
実用文の記述が昨年より難化。書くこと自体はそれほど難しくないが、きちんと条件を確認し、それに沿って書けたかどうかがポイントとなる。また、記述解答の配点が昨年の8点から11点に上がり、新学習指導要領の「表現力」を問う傾向となった。
開成中入試の適性検査Ⅱと似た傾向にあり、資料と対話文を読みそこから自分の意見を決め、その意見について考えを述べるパターン。物語文や説明文のように問題文中から要素を書き抜く記述ではなく、自分で考えたことを伝わるように記述する力が必要なので、普段からこうした問題に慣れているかどうかが大切である。
記述の内容はそれほど難しくはないが、字数が105字以内と多いことで、見た目の難しさを上げ、悩んだ生徒も多かったと思われる。ただ、問題文中から解答の要素となる部分は見つけられても、それらを105字以内でどのようにつなげてまとめるかがポイントとなる。
古文自体の難易度は標準的であり、すべて記号問題だったので解答はしやすかった。ただ問1は「全て選べ」という出題だったため、正答率は下がると思われる。「全て選べ」とい出題は昨今の大学入試改革の流れで増加傾向にあり、確実に理解し、考える力がますます求められるようになる。
昨年の出題形式と大きな変化はないが、英語または英文で書く問題が標準で23点分、裁量で25点分出題されており、また裁量問題の英作文が昨年より30字に増えていることから、英語での表現力を問う問題への対応が必須である。リスニングは昨年同様15点分の出題となっているが、リスニング文や選択肢の英文が長くなっていることから、放送のスピードも上がっていることが予想される。
リスニングと英語での表現力を問う出題を合わせると6割以上の配点となり、writingやreading以外の技能の重要性が高くなっていることは明らかである。英語で表現する問題は、模範解答を見ても、自分の答えが正解かどうかを判断することが難しい場合もあるので、確認してもらい、アドバイスをもらいながら対策を進めておくことが大切である。
昨年は自分の考えを記述する問題が出題されていたが、今年度は文章内容を答える問題となっている。疑問詞を使った疑問文に対し、主語と動詞を含む英文で答える問題で、単語のみを答えとはできない。日頃から主語・動詞を意識した文章で記述する練習ができていたかどうかが大切。
昨年の日記を読む文から会話文に変更されている。また、分量が昨年は29行だったのに対し、41行と増えているので、読むスピードが必要となる。問1は抜き出された文が入る場所を答える問題。文章全体を細かく把握しておく必要があり、分量が増えたことからいかに早く読解できるかが高得点のカギとなる。
また、英作文は昨年同様、自分の考えを書く問題ではなく、条件に従って英作する問題になっている。昨年は日本語で条件が書かれていたが今年度は英文で読み取るタイプになっている。配点は昨年から変化なし。内容を把握し条件をふまえた英作ができていれば得点しやすい問題になっている。